小売の仕事

小売業の仕事とは?【経験者が徹底解説】

悩み人

小売業の仕事に興味があるけど、どんな仕事があるの?

コンビニや量販店などのアルバイト経験がある方もいると思いますが、レジ打ちや販売だけが小売業の仕事ではありません。

小売業とはどんな業界か?どんな仕事があるのか?小売業界で20年以上勤務し、現役店長をしているsavoが解説します。

小売業とは?

商品が生産されて消費者に届くまでには「製造業」→「卸売業」→「小売業」という経路をたどっています。メーカーが製造した商品を卸売業を通じて仕入れ、消費者に販売する業種を小売業と言います。

「流通業」や「商業」という括りもありますが、これは商品の流通経路にある業種の総称で、主に小売業と卸売業のことを指します。

ちなみに「商社」は、専門商社と総合商社があり、専門商社は卸売業にあたり、主に商品の流通(トレーディング)を担っていますが、総合商社は事業投資など業務が多岐に渡ります。

小売業には、総合的に商品を扱っている百貨店・スーパーマーケット・コンビニエンスストア等もあれば、専門の商品を中心に扱っているドラッグストア・家電量販店・アパレル店等があります。

小売業の仕事内容とは?

小売業の仕事は主に次の業務になります。

  • 販売
  • 店舗マネジメント
  • 仕入、商品開発
  • 店舗開発
  • 販売促進
  • 物流
  • 人事、総務、経理財務
  • 経営企画

では、順に解説していきます。

販売

店舗での販売業務、いわゆるお店の店員です。小売業の中心業務となる為、基本的には最初は販売からスタートして現場経験を積むことが多いです。販売といっても業種によって仕事内容の違いがあり、百貨店やアパレル店の販売は接客や陳列技術などが求められる一方、スーパーマーケットの惣菜部門は製造技術、レジ部門はレジ技術等が求められます。

店舗マネジメント

店舗のマネジメント職です。売場のマネジャーや店長などの管理職になります。店や売場の売上・人員・利益管理など担います。販売担当を数年経験後、売場チーフ・マネジャー、副店長、店長というようなステップアップになるのが一般的です。多くの人員をまとめチームを牽引するコミュニケーションや数値管理能の力が求められます。店長を経験後はエリアマネジャーなど複数店舗の管理や、本部スタッフ等の業務につくこともあります。

仕入れ・商品開発

商品の仕入れや商品開発を行います。バイヤーやマーチャンダイザーと言います。メーカーや卸売業者から商品を買い付けをしたり、メーカーと連携して商品開発をします。店の品揃えを決める重要な業務であり、消費者ニーズにあった売れる商品の目利きやトレンドを先読みする力、交渉力等が必要となります。

店舗開発

店舗の出店に携わる業務です。小売業にとって立地は非常に重要です。マーケットニーズがある地域を探し、出店までの業務を担います。情報収集力、交渉力、行動力等が必要になります。

販売促進

商品を販売する為のプロモーションを行う業務です。セール企画立案、POP・チラシ作成、TVCM、WEB戦略などを行います。最近は商品の購買意欲を促すだけでなく、企業価値の向上や固定客確保の為の施策なども重要となってきています。発想力、企画力等が求められます。

物流

商品が消費者に届くまでの一連の業務を担います。物流戦略策定、物流センターの運営、在庫管理等を行い、会社全体の業務効率化を図ります。ネットショッピングの普及や販売経路の多様化により、先進技術や知識を貪欲に取り入れられる人、正確な仕事が出来る人が求められます。

人事・総務・経理財務

どの業界でも共通する業務となりますが、特に小売業はパートアルバイト等の非正規社員の比率が高い為、労務管理などは重要となります。

経営企画

取締役等の方針に基づき、戦略立案や予算に関わる業務を行います。企業の中枢を担う重要な役割を担います。論理的思考力は必須であり、数値に強い人が求められます。

小売業に向いている人とは?

では小売業に向いている人とは、どんな人でしょうか?

相手の立場で物事を考えられる人

小売業の仕事は基本は現場です。店舗勤務の方はもちろん、本部の方も現場でどのようなことが起きているのか?お客様はどのように考えて行動しているのか?従業員はどのような気持ちで働いているのか?などと、相手の立場に立って考えることが重要です。

自分がこうやりたい!という思いも必要ですが、それ以上に相手の立場に立って考え、仕事が出来る人が求められます。

コミュニケーション能力のある人

小売業はマンパワー産業とも言われています。人と接することが多い職種です。店舗においては、お客様とのコミュニケーションはもちろん、それ以上に従業員通しのコミュニケーションが上手くとれるかが重要となります。小売業、特に店舗においてはパートやアルバイト等の非正規社員も多く、幅広い年代の人が働いています。個人で出来る仕事ではありませんので、従業員とのコミュニケーションをとり一人一人の力を引き出せる人が求められます。

一人の時間を楽しめる人

小売業は基本的に人が休んでいるときに働く業種です。土日は基本出勤。GWやお盆、正月休みもありません。休みは平日で、長期休みは別の期間に取ることとなります。

家族と過ごす時間を大切にしたいという人にとっては、予定を合わせるのに苦労をしますが、一人の時間を大切にしたいという人にとっては、好都合になります。休みの日にどこに行くにも混雑は無く、行楽などにかかるお金も少なくて済みます。

小売業に向いていない人とは?

では小売業に向いていない人とは?向いている人の裏返しになりますが、まとめてみます。

コミュニケーションが苦手な人

小売業は殆どの方が店舗勤務を経験します。店舗にはパート・アルバイトが多く、年代もシニアの方から学生アルバイトまで幅広い人が働いています。家庭環境や仕事をする目的も様々です。お客様の為に一生懸命仕事をしようという人もいれば、とにかく稼げればいいという人もいます。また人が多い職場ですから、仕事の愚痴なども多く聞かれます。このような環境下でもパート・アルバイトと一緒になって楽しく仕事が出来る人でなければ、人間関係に苦労することがあるでしょう。

周囲の環境に流されやすい人

小売業は成長産業ではなく、収入も比較的低い傾向があるので、「社会を変えてやるんだ!」といったギラギラした人は少ないです。またパート・アルバイトが多いので、普段の会話も身の回りのネタが多いです。小売業の仕事を通じて自身も成長したいと考えている人にとっては、少し物足りなく感じるかもしれません。入社当初は高い志を持っていたのに、いつの間にか日々に流されるようになってしまったという人も数知れません。但し、裏を返せば、常に自分で意識を持って行動出来る人は、社内で一歩抜け出ることができるということです。

家族との時間を最優先に考えたい人

休みは基本平日となりますので、特に小学生から高校生の子供がいる家庭においては、どうしても家族との時間が他の業種と比べて少なくなります。本部勤務の人は土日休みが基本ですが、GWや年末年始などは店舗への応援などがあり、一般企業と同じようには休めないことが多いです。もちろん、平日休みの中で家族と円満にやっている人もいますが、時間的な制約があることは事実です。

まとめ

小売業は、なくてはならない業種であり、そこで働く人はエッセンシャルワーカーです。エンドユーザー・お客様と直接触れ合うことが出来き、お客様が喜んでいる姿を目の前で見られ、感じられる素晴らしい仕事です。

だからこそ、やるからには志を持って取り組んでほしいと常に思っています。どんな仕事も気持ちの持ち方、取り組み方で、大きく成果が変わってきます。少しでも小売業が好きかも・・・という気持ちのある方は、どんどんチャレンジしてほしいです。

今回は以上です。