スキルアップ

販売職で身につくスキル5選【経験者が解説】

悩み人

販売の仕事に興味があるけど、どんなスキルが身につくの?

このような疑問に、小売業界で20年以上勤務し現役店長をしているsavoがお答えします。

販売職で身につくスキル5選

1.接客スキル・コミュニケーションスキル

販売といって思いつくのは、店舗の販売員でしょう。例えば、ファッションの販売においては、お客様に似合う商品を提案しますが、優秀な販売員は次のようなことを行っています。

・お客様の歩くスピードや目線から、急いでいるのか?ゆっくりと見たいのか?等を判断して、丁寧な商品説明をすべきか?簡潔にポイントだけ伝えるべきか?あるいはあえて接客せずにお声かけを待つか?等の対応をとります。

・お客様の服装や髪型、身に着けているアクセサリー等、また店内で手に取った商品等から、好みのスタイルや拘りを読み取り、お客様がお求めの商品を提案したり、更にはお客様にとって新しい着こなしをアドバイスしたりします。

・複数のお客様が店内や売場にいる場合は、対応できる従業員の人数や状況を判断して、全てのお客様が快適に過ごせるような目配りや接客をします。

よく営業と販売の違いは?と聞かれることがあります。営業は買うつもりが無いお客様に対して提案をする、一方で販売は多少は買うつもりのあるお客様に対して提案するとも言えます。但し、営業に対し販売は複数のお客様・より多くのお客様を相手にする為、より短時間で効果的にお客様の心を動かすコミュニケーションが重要となります。その為に、瞬時に情報を収集する観察眼も磨く必要があります。

皆さんも買い物をするとき、なんとなく感じの良い店だなぁとか、感じの悪い店だなぁと思うことがあるでしょう。無意識に店員の所作や雰囲気を感じ取っているのです。そこで大事なのは「笑顔」です。優秀な販売員はみんな笑顔で仕事をしています。どんなに辛いことがあっても、売場に立ったら笑顔を作るのです。最初は笑顔が出ない人もトレーニングをして笑顔を作れるようにします。これが出来るとどの業界でも好印象な人物として差別化が出来ます。

食品スーパーの惣菜売場等、製造部門で働く人は、同じ販売職であってもお客様と接する時間は少なくなります。但し、基本的には客商売である為、お客様と接する機会はあり、意識を持って取り組むことでスキルは身につけることが出来ます。

2.マルチタスクスキル

販売の仕事は、接客だけではありません。主なものだけでも次のような業務があります。

  • 接客
  • レジ打ち
  • 品出し
  • 商品陳列
  • 発注

接客だけ、レジ打ちだけという業務は殆ど無く、接客をしながらレジ打ちをし、合間に品出しや商品陳列をするという具合に、複数業務を同時進行で行うことが求められます。また、1日の大まかな業務スケジュールはありますが、来店されるお客様を相手にしている以上、自分のペースで仕事を出来ないこともあり、要領よく効率の良い仕事の仕方を身につける必要が出てきます

これに加えて、売場責任者になると人員管理や売上管理などの業務も必要となります。手際の良い人は、やはり仕事も優秀である傾向があります。

3.チームマネジメントスキル

販売の仕事は基本的にチームで行います。店舗において一人で出来る仕事は限られています。大勢いる従業員のモチベーションを如何に上げて、力を発揮してもらうか?良い人間関係を作ってコミュニケーションの質を高めるか?など、チームマネジメントが不可欠であり、仕事をする上で避けて通れない業務となります。具体的には次のようなことをします。

  • 自分の方針(或いは上司の方針)に基づき、チーム内のメンバーの意識を同じ方向に向かわせる
  • チームとしてのパフォーマンスが最大となるような仕組みを作る
  • 仕組みが上手く機能するようにメンテナンスをしつつ、個人への教育・フォローをする

実際に、小売業で働いている方の多くは、このチームマネジメントで苦労しています。一方で、チームが上手く機能して成果があがった時は、喜びを分かち合える分、達成感もあります。

小売業で優秀な成績を残す為には、チームマネジメントを第一に考えて仕事をする必要があるので、特に売場責任者以上のポジションになった場合は、必須のスキルとなります。

4.ディスプレイスキル

同じ商品でも陳列の仕方を変えるだけで売上が何倍も変わることがあります。

販売員にとって、基本的な陳列技術は必要不可欠であり、更にお客様が売場で足を止めて思わず見てしまうような陳列、思わず買いたくなるような陳列を出来る人は重宝されます。その人が持っている元々のセンスもありますが、自分で勉強してスキルを磨いている人も大勢います。

日頃の仕事をする上で陳列は必要な業務である為、意識をすることで日々スキルを磨くことができ、お客様の反応を見たり、売上につながったかを確認することがモチベーションになります。販売職として身につけることが出来るスキルの一つです。

5.体力

販売職は基本は立ち仕事となります。当然ですが、お客様が立って売場の商品を見ているのに販売員が座っている訳にはいかないからです。

毎日の仕事をしていると、特に意識をしなくても1日1万歩以上になっていたりします。業種によっては2万歩以上歩いている人もいると思います。また、売場作りなど力仕事もあります。よって、自然と体力はつく環境にあります。現に、自分の周りで働いている人も実年齢よりも若く見える人が非常に沢山います。

仕事の中で、身体を使うこと、またチームで仕事をすること、お客様から直接感謝の言葉を頂けることもある等の環境が、元気で若々しくいられることの一因になっているように感じます。

気を付けておくべきこと

販売職で身につけられるスキルを見てきましたが、その際に注意すべき点があります。

1.作業に流されないこと

販売職の仕事は、品出し等の「作業」も伴います。商品が売場に並んでさえいれば、お客様がセルフで買い物されることもありますので、一定の売上は立ちます。そこで、「作業」をすることで「仕事をやった」と感じてしまいがちです。作業が進んだことで満足してしまうのです。

多くの人が作業に流される中、常に「考えて」仕事をすることが、成長するためには不可欠です。

2.自分で勉強すること

販売職の仕事は、体系的な教育がされずに、OJTという名の元、実践で経験を積んで覚えなければならない会社も多数あります。極端な話、品出しやレジ打ち等、最低限の仕事が出来れば、それでも戦力になるからです。自分の周りでも自主的に勉強している人は非常に少ないです。しかし、仕事を通じて成長する為には、せっかくお客様と対峙する「場」を効果的に活用しないのは、もったいないことです。

自分で販売について勉強し、売場では常に「仮説」を持って仕事をすることにより、周囲の人と圧倒的な差別化が図れます。専門的な教育が少ないからこそ、自分流の販売スタイルを確立することも出来ます。

3.数値実績をつくること

突然ですが質問です。仮にあなたが転職活動をするとして、今までの販売職の経験をPRするとした時に、どのように伝えますか?

  • 衣料品の販売を5年間行い、売場を任されていました。
  • 家電の接客販売を3年経験し、成績も上位でした。
  • 惣菜売場で製造や販売業務を7年行い、製造技術には自信があります。

上記は一例ですが、どうでしょうか?このような方を採用したいと思いますか?

足りない物があるのです。それが、自分が取り組んできた「実績」を示す物です。一番、説得力があるのが、数値です。

  • 衣料品の販売を5年間行い、売場責任者として年間売上2億を達成しました。
  • 家電の接客販売を3年経験し、昨年度は成績が全国3位でした。
  • 惣菜売場で製造や販売業務を7年行い、社内の製造技術コンクールでは優勝しました。

どうでしょうか?数値や実績をいれるだけで断然説得力が増しましたね。そして、この数値を達成した要因やプロセスを具体的に話せれば、印象は格段に良くなるでしょう。

悩み人

でも、そんな数値実績なんて言われても、PR出来る物なんてないよぉ・・・。

savo

いきなり大きな数値実績を作ることは難しくても、小さな分野で実績をつくることなら出来るでしょ。小さなことの積み上げが、やがて大きな実績になるよ。

例えば、最初は「ある特定の商品」で全国1位の売上を作った・・・というのでも良いでしょう。他の人が目を付けていない商品を売り込むことで、これなら可能です。

先ほどの「作業に流されない」仕事の仕方にも通じますが、常に数値意識を持って仕事をしている人と、そうでは無い人では大きな差がつきます

まとめ

今回は、販売職において身につくスキルと注意点についてお話ししました。販売職は消費者(お客様)と直接関わり、またチームで取り組む仕事が多い為、主に対人関係におけるスキルを身につけることが出来ます。ただ、どんな仕事もそうですが、目的意識を持って取り組まなければ、自身の成長はありません。販売職の特性や置かれた環境において、出来ることを最大限やってみるという姿勢が重要だと思います。

是非、仕事を通じて自身のスキルアップにつなげて下さい。今回は以上です。

この記事がJobuddy(ジョバディ)で紹介されました。

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