小売業ではどんな社員が出世するの?
そんな疑問に、小売業界で20年以上勤務し、現役店長をしているsavoがお答えします。
小売業で出世する人とは?
小売業ではどんな社員が出世しているのでしょうか?ここでは、その傾向について解説します。
明るく行動力がある人
小売業は店舗・売場でチームとして働くことが基本となります。従ってチームにどれだけ良い影響を与えられるかが重要となります。
元気で明るい人は、それだけで周囲の雰囲気を変えられます。「挨拶」を笑顔で誰に対してでも出来る人は、周囲から評価されやすいです。
また、小売業の基本となる販売職は、個人の能力を測る明確な指標がありません。売上や粗利・利益といった指標はありますが、売上が良い=その売場のスタッフが優秀とはなりません。
例えば、売上が良い売場があります。店スタッフの評価者である店長は、その売場が何で売れているんだろうと考えます。そこで、あるスタッフがいつも明るくテキパキと仕事をしているのを目にしていると、このような仕事をしているから売上が良いんだと認識します。
逆に売場スタッフが皆ダラダラとしているのに売上が良くても、何か外部与件などがあってたまたま売上が良いんだとの認識になります。
このように、売場業績は様々な与件によって左右される為、「日頃の仕事への姿勢や行為」が評価に影響を与えやすく、「明るく行動力がある人」は高い評価を得られやすくなります。
気遣いができる人
どんな仕事でもそうですが、気遣いができる人は評価されやすいです。
特に小売業は、複数のお客様を相手にした商売です。また、一人でやる仕事ではないので、周囲の人とコミュニケーションをとることが不可欠です。
そうすると、気遣いができるということが、直接的に「仕事ができる」ことに繋がります。
お客様に気遣いできる人は、良い接客ができますし、職場の同僚に気遣いできる人は、円滑なコミュニケーションが出来て、信頼も集めることができます。
チャレンジ精神旺盛な人
小売業の仕事は、特に店舗勤務の販売職では、毎日のルーチン業務があります。
例えば、「品出し」「発注」「レジ打ち」「売場づくり」などです。食品スーパーなどでは、「製造作業」もあります。
これらは、毎日行わなければ売場運営が出来ない為、誰でも必ず実施する業務、いわゆる「作業」です。この「作業」をこなすことで1日の仕事を終えた~と満足感を感じている人がとても多いのが実態です。
しかし、出世する人は、作業をして満足するのではなく、更にお客様に満足して頂く為にどうするかを考えてチャレンジ精神を持って仕事に取り組んでいます。
仕事を「作業」で終わらすか、そこに「付加価値」を加えられるかで、その人の評価も大きく変わってきます。
出世する為の具体的行動
上司の考え方・優先順位を把握する
出世する為には、社内での良い評価を得る必要がありますね。
では良い評価を得るためには、どうすれば良いでしょうか?
業績を上げれば良いのでしょうか?
まずは、「評価者である上司」がどこに評価のポイントを置いているかを把握しなければなりません。
もし、上司が「担当業務の数値改善」よりも「上司の指示に対する実行度」を優先させているのであれば、上司の指示に対する実行度を上げる必要があります。
また、上司が「売場作り」よりも「接客」を重視しているのであれば、まずは接客を徹底的に出来るようにすべきです。
上司が仕事において優先度を高していることにおいて、自発的に取り組んで成果を上げられれば、間違いなく評価されます。
指示に対して直ぐに取り組む
小売業はチームの仕事が基本となりますから、店長や売場責任者などの管理者は、部下に対して多くの指示を出します。
その指示に対して、どう取り組んだかを上司は見ています。
指示に対しては「直ぐに」実行することです。
どうしても先にやらなければならない業務がある場合は、そのことを上司にしっかりと伝えてください。そうでないと、上司は「自分の指示を後回しにしている」と捉えます。
上司は指示に対して、「スピード」と「実行度」の2つを見ています。これは上司本人が特に意識していなくても、感覚的に感じるものです。
実行度を上げることは難易度が高いですが、取りかかるスピードを上げることは意識するだけで出来ます。
「○○さんはいつも直ぐにやってくれる」というだけで、上司はその人を評価したくなるものです。
上司へアピールする
先ほど、上司は自分で出した指示に対して、部下がどう取り組んだかを見ているとお話ししました。
一方で、自分が指示したこと以外については、以外と見ていないものです。
頑張ってやれば上司は見てくれる・・・という甘い考えは捨ててください。
上司の評価を得るためには、自分で取り組んだことを、きちんと見てもらえるようにする必要があります。
上司に積極的に話しかけて、こうやりましたとアピールするんです。
上司の立場からすると、部下がアピールしてくれるのは嬉しいものですし、積極性があると評価したくなります。
自分で取り組んだことを周囲に分かってもらえるように伝えることも、仕事のスキルの一つだと考えて、意識して取り組んでください。
上司が嫌でたまらない場合はどうするのか?
以上、小売業で一般的に通用する出世の為の行動について見てきました。
ただ、中には「上司にこびへつらっているようでなんか嫌だ」とか、「上司が嫌なやつであまり絡みたくない」という人もいるでしょう。
そんな人は、次のことに取り組んでみてください。
上司の上司にアピールする
上司の考え方がどうしても理解できない・・・という人は、「上司の、その上の上司」に評価してもらえるように行動してみましょう。
二次上司までなら、あなたの仕事ぶりや取り組み内容もある程度分かっているはずです。
一次上司のあなたに対する評価がイマイチでも、二次上司があなたを評価してくれれば、二次上司の評価が優先されます。
また、あなたが理解できないような一次上司は、二次上司もそのような人物だと分かっているケースが多いです。
一次上司とは最低限、上手くやりつつ、二次上司にしっかりアピールしてください。
万が一、二次上司もあなたが理解できないような人であれば、その会社自体があなたに合わないということでしょう。さっさと転職活動を始めるべきです。
我が道で圧倒的な結果を出す
もうひとつのやり方は、力業で結果を出すことです。
上司の指示に従わなくても、圧倒的な結果を出してしまえば、誰も文句は言えなくなります。
最初は生意気なやつだと思っていたが、しっかりと結果を出すやつだなぁ・・・と評価をされるようになります。
こうなれば、上司もあなたにある程度自由にやらせた方が良いと考え、仕事がやりやすくなります。
但し、これには落とし穴もあります。
結果が出なかった場合は、評価がガタ落ちになるということです。
そりゃそうでしょう。上司の意に反して好き勝手にやって、結果が出なかったら、ほれ見たことかと上司からダメの烙印を押されてしまいます。
でも、そこまで覚悟を決めて、我が道で結果を出すことが出来れば、その後のあなたの立場は強くなり、他者とも大きな差別化が出来ることとなります。
まとめ
小売業における出世術についてお話してきました。
化粧品販売や家電販売など接客の影響度が高い業種は結果が重要視されますが、セルフ販売中心の量販店などでは、個人レベルでのはっきりとした数値結果が出にくい業界なので、プロセスや人間関係が大切になります。
まとめると、「行動力があり、周囲とのコミュニケーションに秀でた人」が出世しやすくなりますので、日頃の仕事の中で、意識をしてみると良いでしょう。
今回は以上です。